IT業界では、仕事ができる人が辞めることは頻繁にあります。
一般的な企業ではあまり考えられないことですが、IT業界に関してはこの構図が良く見られるのです。
特に好景気の現在では、エンジニアの需要が高いので、仕事ができる人が転職するのは不思議ではありません。
その大きな理由は給料と環境ですが、実は裏では転職の話ができ上がっていることも多いのです。
今回は、エンジニアと現役エンジニアが、IT業界でよくある「仕事ができる人が辞める」ことについて説明したいと思います。
これからIT業界に入る人や、現在エンジニアとして働いている人は参考にして下さい。
IT業界で仕事ができる人が辞める理由
まずIT業界の仕事ができる人が辞める原因について、一つ一つ見ていきたいと思います。
大きな理由はやはり給料や労働環境になりますが、仕事ができる人はただ条件に不満があるだけで辞めるわけではありません。
若い年代ほど給料がアップできるIT業界
IT業界は未経験で募集している企業が多く、現場で仕事を覚えながらスキルアップする人も多いです。
入社当時は未経験のため、当然ですが給料はとても低いです。
そうした新人エンジニアも、3年~5年ほど経験を積むとそれなりのポジションでSEとして働けます。
仕事ができるエンジニアほど、現場で責任のある仕事を任されることは多いです。
スキルがついたエンジニアが考えることは、「もっと待遇が良いところはないのか」になります。
エンジニアとして仕事をしていると、若い年代がよく「今のスキルでこの給料って安くないですか」と聞いてきます。
こうした「仕事ができる」エンジニアが、転職サイトなどを見ると自分のスキルでも給料アップできることを知ります。
そうなると当然、「仕事ができる人が辞める」という図式ができるのです。
特にSESのような派遣で現場に出ているエンジニアは、自社で評価されないことも多く、仕事ができる人ほど辞めることが多くなります。
スキルアップを狙って辞める
エンジニアと言っても、全ての現場で同じ仕事をするわけではありません。
使っているプログラミング言語も違いますし、業務も違えばやることは変わります。
ただ、できる人ほど同じ現場に長くいることが多いです。
特に汎用系エンジニアやオープン系エンジニアは、できる人ほど常駐先で長く仕事をしています。
エンジニアはスキルで売っているところもあるので、できる人はずっと同じ現場にいるくらいなら辞める選択をすることも多いです。
仕事ができる人は、どこでも結果を出せるので、辞めて転職する選択ができます。
ヘッドハンティングされる
IT業界では多いのですが、派遣先の現場で他の会社の営業にヘッドハンティングされることもあります。
右肩上がりのIT業界は離職率も高いので、優秀な人材なら少しくらい高い給料でも雇いたいという企業が多いです。
IT業界で良くあるのですが、仕事ができる人が辞める理由としてヘッドハンティングも実は多いです。
まあ当然、仕事ができる人が辞めると現場が困るのですが、SESのような派遣できている社員だと監視する人もいないので良くある話です。
ただヘッドハンティングも良し悪しで、口約束の契約などだと逆に給料が下がったというエンジニアもいました。
エンジニアとしては、ヘッドハンティングで転職を成功させることは難しいのでおすすめはしません。
フリーランスになる
仕事ができる人が辞める理由として、フリーランスになって、自分のやりたい仕事をするエンジニアもいます。
IT業界はスキルがあればフリーランスとして働くことも難しくありません。
一般的なエンジニアの給料が30万から50万だとすると、フリーランスなら100万以上狙うことも可能です。
フリーランスはデメリットもあるので安易におすすめはできませんが、仕事ができる人が辞める理由としてIT業界では結構ある話です。
将来を考えれば仕事ができる人が辞めるのは当然のこと
企業としては痛手ですが、仕事ができる人が辞めるのは当然のことだと思います。
昔のように終身雇用の考え方も薄くなり、またリストラにおびえる中堅社員も増えています。
IT業界は右肩上がりですが、多くの中小IT企業は将来も安定してビジネスができるとは限りません。
特に会社の運営にはお金がかかるので、仕事ができる人だからと特別待遇を上げるわけにもいきません。
特に若いエンジニアほど、将来のことを考えて仕事を辞めるという選択をする人がいるのも納得できます。
エンジニアとして仕事を辞めるべきだと思う人材は、
- 汎用系の現場で働いている
- 会社から正当に評価されていない
これに当てはまるなら、仕事を辞める選択肢もアリだと思います。
汎用系・オープン系の現場で働いている
汎用系の仕事は、なくなることはないでしょうがスキルアップはあまり見込めません。
レガシーともいえる「COBOL」を使っていると、他の現場で仕事ができなくなる可能性が高いです。
実際、仕事ができる若いエンジニアほど、汎用系の現場を嫌って辞める人が多いです。
若い年代ほど、汎用系の現場に回されたら辞める選択も考えておくべきです。
会社から正当に評価されていない
SESのような現場に派遣されるエンジニアは、自社に変えることがほとんどありません。
思っているよりも低い評価を受けているエンジニアも実はたくさんいます。
SESで現場に派遣する企業の中には、エンジニアを使い捨てのように考えているところもあるでしょう。
仕事ができる人でも評価されないことが多いので、そう感じたらやめる選択をすべきです。
仕事ができる人ほど辞めると失敗する!?エンジニアが教える転職術
IT業界は人材不足で転職しやすい業界といえます。
仕事ができるエンジニアであれば、より良い条件の企業に転職するために辞めるのもアリです。
ただし気をつけてほしいのが、仕事ができる人ほどブラック企業などに入るリスクが高いことです。
これは特に若い人ほど、ブラック企業に入ってしまう可能性が高くなります。
IT企業は中小から大企業まで様々あるため、求人の選定がとても難しいです。
業界的に悪いうわさを聞く企業もありますが、まだまだ噂になっていないブラック企業も多いです。
ブラック企業は言葉巧みなので、知らないうちにマインドコントロールされることがあります。
仕事ができる人でも転職ノウハウを知らないので、こうしたブラック企業の手口に騙されることがあります。
転職で失敗しないためにも、信頼できる転職サービスを選ぶことが重要になります。
IT業界は仕事ができる人が辞めると地獄になる
これもIT業界で良くある話なのですが、仕事ができる人が辞めると現場は地獄になります。
特に汎用系などの規模の大きな現場に多いことで、その原因は仕様を知っている人が少ないからです。
昔からあるシステムなどは仕様書はあるのですが、正直、読めたものではありません。
仕様書の内容が悪いなどではなく、あまりに複雑な仕様のため全てを把握することができないのです。
仕事ができる人に頼っている現場だと、その人が辞めると仕事が回らなくなるということも良くあります。
もしエンジニアの方で、今の現場が誰か一人の仕事ができる人に頼っているとしたら、かなり危険なので注意してください。
そのエンジニアがずっといる保証もありませんし、辞めた後にあなたがメイン担当になる可能性もあるからです。
汎用系やオープン系などは、そういった危険性もあるので、個人的にはおすすめできない業界です。
仕事ができる人は常に辞めることを考えている業界
IT業界は転職しやすいこともあり、仕事ができる人は常に辞めることを考えている傾向があります。
もちろん今の会社に不満がなければ辞めることはありません。
ですが常に新しい技術を求めるエンジニアも多いので、そういったエンジニアは仕事を辞めることを決断します。
仕事ができる人ならば、辞めても転職に困ることはないでしょう。
ですが転職が成功するか失敗するかは、転職活動次第になるので注意してください。
IT業界であれば、転職エージェントに相談すれば良い条件の求人を紹介してもらえます。
他の業界に比べて採用する側の企業も積極的なので、失敗しないためにも転職エージェントも検討してみて下さい。
特にIT特化の転職エージェントならば、スキルを評価してより良い条件の求人を紹介してくれます。